CO2添加装置の選び方"

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CO2添加機器の選び方

水草を水槽内で育成するする際、必須アイテムになってくるのが「CO2添加機器」です。

中にはCO2添加なしでも育成可能な水草もあります。

ただ、綺麗に状態良く育てたり、水草の種類によってはCO2添加は必須になってきます。

当店でもそうですが、水草の説明の際には「CO2添加量」という項目があります。

ほとんどの水草でCO2添加を推奨しています。

CO2を水槽内に添加する方式にもいろいろあります。

今回は水槽内にCO2を添加する方法の説明をしていきます。


二酸化炭素(CO2)添加機器とは?

CO2を水槽内に人為的に添加するための装置全般のことを指します。

水草が成長するためには以下の3要素が必要になります。

  • 栄養分(窒素、リン、カリウム)
  • 二酸化炭素(CO2)

  • 光は照明から、栄養分はソイルから主に供給されています。

    残りの「二酸化炭素(CO2)」を水槽内に添加するための装置、機器を「CO2添加機器」と呼び、この添加方法には数通りあります。


    CO2添加の目的・役割

    CO2添加の目的は以下の3つです。

  • 水草の光合成を促進し、成長を促す
  • 水質を弱酸性で維持する
  • 水草に気泡をつけさせる

  • 水草の光合成を促進し、成長を促す
    水草は昼に光合成で栄養素をため、夜にその栄養素により成長していきます。
    水槽内に水草をたくさん植えていた場合、水素内に最初から入っているCO2だけでは不足する恐れがありますので、CO2を人為的に添加することで、全ての水草に対し、CO2が不足しないようにすることができるだけのCO2濃度の確保が可能です。

    水質を弱酸性で維持する
    アクアリウムショップで手に入る水草はほとんどが「弱酸性」の水質が最適なものが多く流通しています。
    そのため、水質を弱酸性に保つ必要があるのですが、日本の水道水は「中性」です。
    ソイルの働きにより、弱酸性に水質は傾きますが、CO2の添加をすることでより確実に弱酸性に傾け、維持・調整が可能になります。

    水草に気泡をつけさせる
    光合成が活発になりますので、発生させる酸素量も増加し、それが気泡となって水草につきます。
    また、これは「CO2」だから、というわけではありませんが、CO2を添加することにより、水中内の空気量が増加します。
    結果として水草にとって、気泡がつきやすい水質になります。
    気泡が水草に付くととても綺麗なのでレイアウトとして気泡が付きやすい環境をつくります。


    CO2添加のメリット

    メリット

    水草が綺麗に状態良く育つ
    CO2自体は水道水に最初から含まれている上、生体や水草、バクテリアの呼吸によって生産されますので、CO2添加機器(方式)を導入していなくても水槽内には存在します。
    ただし、水草を状態良く育成するためには水槽内のCO2だけではうまく育成できないものもあります。
    また、育成できたとしてもきれいに育たなかったり、間延びしてしまったり、群生してくれないなどレイアウト水槽向けの成長をしてくれない場合が多くあります。
    水草レイアウト水槽の場合、「早く」「より自然に」「綺麗に」「色付き良く」など様々な理想があるはずです。
    そのような理想を実現する為に、強制的にCO2を水中に溶けこませる装置を水槽に設置することで、「水質を維持」し「光合成を促進」し、水草の持っているポテンシャルを最大限発揮させる必要があります。
    CO2が水槽内に十分供給されているかどうかで水草の美しさが大きく変わってきます。

    デメリット

    初期費用/ランニングコストがかかる
    どのCO2添加方式を選ぶかによりますが、CO2添加装置の本体代とCO2が切れた時に補充が必要となります。
    初期費用/ランニングコストは添加方式により様々です。
    CO2添加方法によりますが、そこまで高い費用ではありません。

    コケも育ってしまう
    苔も光合成が促進され、苔も力強く育ってしまうという問題もあります。
    添加量を見極め、水槽内の水草だけで消費できるCO2添加を行えば、回避できたりします。
    これは別の記事で取り上げます。

    水槽内外にそれぞれ設置場所が必要
    どの添加方式でも、水槽外に「CO2を送り出す装置」と、水槽内に「CO2を拡散する装置」が必要になります。
    そこまで大きなものではないので、開いているスペースに設置すればいいのですが、水槽レイアウトの際には設置するスペースを考慮に入れてレイアウトする必要があります。


    CO2添加の必要性

    水草を育成する場合
    水草を育成するなら必要、といいきってもいいかなと思います。
    よほど簡単な水草のみの条件にしない限りはCO2添加を行う必要がでてきます。
    当店でもほとんどの水草の解説の際には「CO2添加量」をご案内します。
    量の大小はあれど、基本的には水草育成にはCO2添加が前提です。
    また、前景草はCO2添加がないとうまく育ってくれない場合が多いです。
    よほどアクアリウムに精通されている方なら可能かもしれませんが、基本的にはCO2添加を行ったほうが育成は容易です。

    レイアウトコンテストに出展したい、目標・目的をもってレイアウトをつくっている
    この場合、ほぼ100%使用が必要です。
    CO2添加は水草の状態、発色、太さ、成長速度など様々な要因に絡んできますので、導入は必須です。


    CO2の理想的な添加時間

    光合成するときにCO2が必要になりますので、光があるときに添加を行ってください。

    そのため、照明のON/OFF時間に合わせれば問題ありません。

    照明の場合、電源のON/OFFを自動化する際には「電源タイマー」を使用しますが、CO2添加装置の場合は「電磁弁」を使用します。(強制添加装置のみ)

    タブレット式、発酵式、自然溶解式の場合、自動化は難しいため、添加量を調整し、夜間も添加し続けないように注意してください。


    CO2添加方式の種類

    CO2添加の方法にもいくつか種類があります。

    下記の4つの種類が主流です。

  • 高圧ボンベ式
  • 発酵式
  • タブレット式
  • 自然溶解式


  • 高圧ボンベ式

    この方式が水草アクアリウムでは一般的です。

    ボンベに高圧で収められている二酸化炭素を、チューブを通してCO2拡散器(拡散ストーン)で細かい泡として水中に放出する方式です。

    金魚水槽でよく見る「ぶくぶく」からCO2がでている様なイメージです。

    一般的に「高圧ボンベ式」といったらこれを指します。

    こちらを購入すれば、CO2面での水草育成阻害はおきませんので金銭的に余裕が有る方はこちらをおすすめします。

    メリット

  • CO2の量が調整できる
  • 別売りの電磁弁(自動ON/OFF装置)を使えば、自動化できる
  • デザインが良いものが多い

  • デメリット

  • 初期投資が高い(フルセットで7000円〜)


  • 必要な器具

    ボンベ型に必要な器具の一覧です。最初はメーカーからCO2強制添加のための「フルセット」が用意されていますので、そちらを購入すれば一式揃っています。
    (電磁弁はフルセットに含まれていないことが多いですので別途購入してください)

    CO2高圧ボンベ
    CO2が高圧で収められているボンベです。

    レギュレーター
    高圧で収められたCO2を減圧するための装置です。

    耐圧チューブ
    レギュレーターから送られたCO2を拡散器につなぐためのチューブです。

    拡散器
    チューブを通ってきたCO2を霧状に拡散させるための器具です。細かい泡であればあるほど水中に溶解しやすくなります。

    カウンター
    CO2の拡散量を目視で確認するためのものです。この中に水が入っており、水を通過するCO2が1秒間に何滴通過するかで確認します。
    通常は1秒間に1〜2滴です。拡散器と一体型のものもあります。

    電磁弁※別途購入の必要あり
    CO2を自動でON/OFFするための装置です。自動電源タイマーにコンセントを接続し、電気が通っていたらONに。
    電気が通っていなければOFFにするというものです。別途自動電源タイマーが必要となります。


    CO2高圧ボンベの種類

    このボンベは「大型ボンベ(ミドボン)」か「小型ボンベ」の2種類ありますが、特に理由がなければ小型ボンベの選択で問題ありません。

    小型ボンベ

    横幅90cm以下の水槽であれば「小型ボンベ型」を選んでおけば問題ありません。
    メーカーにもよりますが、約74gのボンベで500円前後で購入可能です。

    大型ボンベ(ミドボン)

    小型ボンベに比べランニングコストが安いですが、初期費用が1万円〜になる上、大型になりますので、場所を取ります。
    また、最近では小型ボンベの需要が上がってきたため、小型ボンベの値段も落ちてきており、ランニングコストでの差が縮まっています。
    初心者がいきなりこれを購入することはあまりおすすめできませんが、大型水槽でCO2の消費量がかなり高く、ランニングコストを気にするようならこちらを検討してください。


    発酵式

    ペットボトル内でイースト菌を嫌気発酵させることでCO2を生産し、そのCO2を水槽内に送り出す方式です。

    そこらへんに売っているもので自作できるので、昔からCO2添加方法として流通している方式になります。

    メリット

  • 初期費用が安い

  • デメリット

  • CO2添加量の調節ができない
  • 外気温によって生産されるCO2量が変わってしまう
  • 時間によるON/OFFが設定できない
  • 見栄えが悪い


  • 発酵式CO2強制添加機器のつくり方

    イースト菌は砂糖を材料にアルコールとCO2を生産します。そのCO2をチューブを通して水槽内に送り込むのがこの方式です。

    砂糖とイースト菌をただ混ぜると生産速度がはやすぎるので、下記の2つのうちどちらかを混ぜて速度を調整します。

    重曹式
    寒天式

    また「気温」が低いと速度がおちるので、冬場などは上記を混ぜなくても大丈夫です。

    材料

  • 砂糖100g
  • イースト菌1g
  • 重曹2g
  • 水400ml

  • 上記を混ぜてペットボトルに入れチューブで繋ぐだけで完成です。


    タブレット型CO2添加方式

    器具の設置もいらず、最もお手軽に導入できる製品です。

    市販されているCO2タブレットを水槽に入れるだけで、そのタブレットがCO2を発生させ、水中に溶けこませる方法です。

    このタブレット内にCO2だけではなく、栄養素も含まれている商品もあります。

    メリット

  • 器具の設置がいらず、お手軽に導入できる

  • デメリット

  • ランニングコストが高い
  • どれくらい添加できているか効果が定かではない
  • 夜間は添加停止など添加タイミングの調整ができない


  • 自然溶解式

    水槽の中にCO2を溜めておくための容器(小型拡散筒)を設置し、その容器内をCO2で満たし、そのCO2が自然に水中に溶け込ませる方法です。

    もともと、CO2は水に溶けやすい性質を持っているため、こちらの方法でもある程度は水に溶け込みます。

    メリット

  • 初期投資が圧倒的に安い(1,200円程度)
  • CO2をムダにしない

  • デメリット

  • 人が目視でCO2を補充しなければいけない
  • 時間によるON/OFFが設定できない・自動化できない
  • CO2添加量の調節ができない
  • 水槽内に場所を取る
  • 見栄えが悪い


  • CO2添加を時間によってON/OFFする方法

    CO2添加装置は通常、バルブを開けたらCO2が出て、閉じたらCO2も止まるという完全な手動式です。

    それだと自分が家にいるときにしかONOFFできない上、添加忘れなんてことも起こりえます。CO2添加装置を自動化するためには「電磁弁」と「電源タイマー」の2つが必要です。

    電源タイマーはその名の通り、時間を設定して電流の流れる時間を設定する機能がついたコンセントです。

    電磁弁は「電流が流れている間だけ空気の通り道を作る(バルブをあけた状態にする)装置です」

    電源タイマー
    電源タイマーを購入しておけば、CO2添加だけでなく照明のONOFFも時間によって自動的に点灯消灯するため、アクアリウムをやるなら必須といえるアイテムです。
    「ギア式」と「デジタル式」があり、ギア式は安いですが細かい設定(曜日繰り返し、時間の複数指定等)ができません。それに対しデジタル式は商品によりますが、細かく設定可能で、曜日による繰り返しも可能です。

    電磁弁
    CO2添加を自動化させるなら必須です。上記のタイマーと合わせて使用することで、CO2添加の時間によるON/OFFが設定可能となります。
    電磁弁は発熱する商品ですので取り扱い、設置場所にご注意ください。製品によって発熱量は異なります。


    各CO2添加方式の比較表

    項目 高圧ボンベ式 発酵式 タブレット式 自然溶解式
    本体価格 7000円〜 500円〜 500円〜 1000円〜
    維持費 普通 安い 高い 安い
    自動化 可能 不可 不可 不可
    量の調整 可能 不可 不可 不可
    設置場所 普通 普通 小さい 大きい


    最後に

    水草育成ではCO2は切っても切れない存在です。

    丈夫に美しく育てるには必須と言っても過言ではありません。

    コストもそこそこかかるものではありますが、安定性、見た目などを考えると一番オススメは高圧ボンベ式です。

    結局のところ高圧ボンベ式以外は添加量の調整が出来ず気候等に左右されたりと管理しにくいです。

    初心者~上級者までどのレベルの方でも使いやすいというところもポイントです。


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