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ろ過とバクテリアの基礎知識

~水の生き物を飼育するのに重要な「ろ過」とは~

★ろ過とは??
ろ過を漢字にすると、「濾過」となります。 アクアリウムの世界では、道具や生き物を使って水をきれいにし、生き物が棲みやすい環境をつくる。 ということです。
生き物を飼っているとどうしても餌の残りや排泄により水が汚染されてゆき、
そのままにしておくと、そのうち生き物が中毒症状を起こす危険性が増し、やがては生き物が生きられない状態となります。
そのため汚染物質に満たされる前に、水を健全な状態で維持するため「ろ過」は大切になります。

アクアリウムの世界には3種類の濾過があることをみなさんご存知でしょうか? 3種類の濾過
上記3つに分類されます。

物理ろ過
これは、皆さんがろ過という言葉を聞いて最初に思い浮かべるであろう、 フィルターなどを用いて水をきれいにする方法です。水の中の浮遊物などを物理的に取るといったろ過となります。

生物ろ過
これはフィルター内部のろ材やマットにバクテリアを繁殖させて 水中の有害物質を分解してもらい生き物にとって最適な環境をつくる方法です。

化学ろ過
文字通り化学物質を利用して水中のにごりや水の黄ばみの原因となる 物質を吸着・分解させることにより水を清潔に保つ方法です。


ろ過は、生き物を飼う上でとても大切!


ろ過は、主に3種類。物理、生物、化学ろ過!


生き物を飼う前に、知っておきたい手順


「ろ過が3パターンあるのは分かったけれど、どうやってやったらいいの?」

とお思いですよね?

簡単に言いますと、フィルターを設置すればいいだけです。

フィルター

しかしながら、設置してすぐろ過が効果的に働くわけじゃないんです。

魚や水草を水槽内で育てようとしたとき、最初にやらなくてはならないことがあり、 その作業を完了させるには、少し時間を要します。

早く生体を水槽に入れたい!!と、気がはやりますが何事も最初が肝心です。焦らずにじっくりやりましょう。

飼育する前にまずやらなければならないのが、

水槽の立ち上げ。

簡単に言うと、生き物が棲みやすい環境づくりです。 ここで必要になるのが「生物ろ過」です。
魚や水草を飼育していると魚の排泄物や残りエサ、枯れた水草などからアンモニアが発生します。アンモニアは強い毒性が あるので、水中のアンモニア濃度が高くなるとせっかくのお魚が死んでしまいます。 それを未然に防ぐために「生物ろ過」機能が備わった水槽を用意する必要があるのです。

フィルターを設置しただけではろ過できない!?

生物ろ過に欠かせないのが、フィルター内に繁殖するバクテリアです。

バクテリアは大きく分けて以下の2種類に分類されます。

1.好気性細菌
酸素を必要とする細菌→生物ろ過に必要

2.嫌気性細菌
酸素を必要としない細菌→生物ろ過に不要

フィルター

バクテリアは空気中を漂っていたり、 魚体や水草の表面に付着しています。そのため魚を入れる前の、 水を張っただけの水槽にフィルターを設置し、稼働させれば時間がたてば自然と繁殖していきます。 フィルターを稼働させ、約1~2週間ほど経つとバクテリアがフィルター内のろ材や砂利に増殖し、 魚を飼える水槽になりますが、バクテリアの種類によって増殖・安定する時間が異なるので (中には数週間、1か月単位を要するものも)、これで完璧な状態とはまだ言えません。

つまり

フィルターの設置+時間が必要ということです。


えーーっ!!そんなに時間が掛かるの!?

という方に朗報です!

水槽設置後に投入することによってバクテリア増殖にかかる時間を短縮できる商品も市販されています! 意見は十人十色ですが、使ってみるのも良いと思います。

尚、バクテリアが安定したか(生物ろ過が行われているか)の確認については、アンモニア、亜硝酸、硝酸この3つの値を 測って判断します。

★化学ろ過を行う為には??

化学ろ過はゼオライトや活性炭といった化学物質を使ってろ過する方法です。 主な効果は有害部室を吸着したり、濁りの原因を吸着することで水を透明にしたりします。 それらの化学物質はフィルターの交換用ろ材やマットに用いられているためその部分を交換しフィルターを 起動すればOKです。また砂利として売られていたり、 パックに入って売られていたり市場には色々な種類の商品が出ています。 お手軽にお使いのフィルターに入れたり、水槽に浮かべたりしても効果を発揮します。 ただ吸着効果は期限があるので注意です(だいたい2ヵ月位が多いです)


自然の力を使って水を浄化させる生物ろ過


生き物を飼える状態まで時間がかかる!


バクテリア剤も市販されている!


なぜ、フィルターを使うのかこれでわかりましたでしょうか。酸素を供給するだけの意味合いではなく、 生き物を飼う上でフィルターの使用はとても大切だというお話でした。